テクノロジー

自動運転技術は近い将来、幅広く活用されると予測されています。個人用の部分自動運転車から完全自動運転長距離トラックまで、さまざまなタイプの車両が道路を共有します。革新的なUI(ユーザーインターフェース)・U/X(ユーザーエクスペリエンス)技術が、車両の種類や自動化レベルを問わず、現実的、直感的インタラクションを可能にします。

トヨタは、1980年代から自動運転技術の研究開発に取り組んでいます。その目的は、社会に役立つ自動運転革命を実現すること。そして、すべての人に自由に移動できる手段を提供し、交通事故死傷者ゼロを目指すこと。その実現に向けた取り組みをご紹介します。

 

Highway Teammate 

 

自動車専用道路における自動運転

 

トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社(TRI-AD)では、「Highway Teammate」をはじめとする自動運転技術を採用し、直近での安全向上を目指しています。Highway Teammateは、高速道路の入口から出口までの自動運転を可能にし、高速道路本線への合流、安全な車間距離の維持、車線変更、出口への分岐などを行うもので、2020年の実用化を目指しています。

機能

Highway Teammateの設計はTRI-ADの自動運転理念を土台とし、その根幹には、互いに見守り、常に助け合う、気持ちが通った仲間のような人とクルマの関係性があります。

通常、高速道路に進入すると、ドライバーが自動運転モードに切り替えます。Highway Teammateは高精度地図情報との照合により自分の車両の位置を把握し、適したルートや車線を自動選択し、ハンドル、アクセル、ブレーキを安全に操作します。その間、車載センサーが継続的に収集データを送り続け、それに基づいてHighway Teammateが周辺の車両や障害物を認識し、その場の状況に安全に対応します。適切なタイミングでのスムースな切り替え操作によって、ドライバーは十分集中して再び運転を続けることができます。

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Toyota Guardian

高レベルの安全性

 

TRI-ADのGuardian技術は、高レベルで安全で信頼できるドライビングを可能にします。Guardianは全走行を通して、道路状況やドライバーの反応をドライバーに意識させずに見守ります。Guardianが目指すのは、ドライバーや同乗者を常に安全に守ること、そしてドライバーとクルマを一体化させることです。

Guardianはわずかな違いを察知して作動し、ドライバーの状況認識を向上し、運転技術を高めます。走るたびにドライバーとクルマはどんどん調和し、ドライバーは自信をもって大切な人と安全に家に帰り着けるようになります。

機能

Guardianのアルゴリズムには、トヨタ独自の世界的センサーデータネットワークの力が活かされ、シミュレーション上または現実世界での無限の運転シナリオに基づき強化、更新されています。このように常にメモリーとトヨタ車に搭載されている高度なセンサーとを組み合わせることによって、Guardianは素早く状況を認識し、各種の最適なドライビングパラメータと照合します。また、非常時の対応を維持し、ドライバーの眠気をも監視することによって、常に不測の事態に備えます。運転中はGuardianの直感型インターフェースがドライバーに情報を送り続け、集中力を維持させ、運転技術と認知力を高めます。

このほか、走行先の障害物を明示することにより、ドライバーの視野を広げます。右の写真では、歩行者の動きから車両の進行方向を横断するであろうことが予想されます。Guardianは、視覚表示と音声を使った明確なアラートによってドライバーに警告を発するとともに、事故を回避するための最も安全な走行路を計算します。認知度の向上も、Guardianとドライバーの協力関係を高める一つの方法です。

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Chauffeur

完全自動運転

 

Chauffeur は、TRI-ADが開発中の完全自動運転システムです。世界的に有名なトヨタの信頼性と技術力の高さ、そしてわくわくするような自動運転の可能性を融合させます。今この時から、100%安全な自動運転車が走る究極の未来に向けて、その懸け橋となります。

すべての運転操作はChauffeurが担当するため、ドライバーはリラックスして、新しく手に入れた時間を思いのままに使うことができます。外出先での仕事、家族や恋人とのおしゃべり、お気に入りのゲームもできます。すべては完全に安全であり、目的地に到着する頃にはドライバーはリフレッシュし、準備万端の状態となります。

機能

Chauffeurの設計には信頼性の高い最新ソフトウェアエンジニアリングアプローチを用い、高度な機械学習アルゴリズムと、数百万マイルを超える世界中の路上で収集されたデータによって強化します。その結晶として誕生するのが、旅客機の自動操縦機能と肩を並べる精度と、ありとあらゆるトヨタ車の走行によって蓄積された経験と英知を持ち合わせた自動運転システムです。この究極のお抱え運転手が、この先の行程で起きるさまざまな状況にどう対応すべきかよく知っており、安心して乗っていられます。

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トヨタデザインシステム(TDS)

未来のユーザーエクスペリエンス

 
 

自動運転革命のためには、U/X(ユーザーエクスペリエンス)の考え方を大きく変える必要があります。自動運転時代にいくつかのボタンと画面があるだけでは十分とは言えません。未来の部分自動運転車、完全自動運転車の流儀に対応するには、乗る人に合わせた新しくパワフルで多様なUI(ユーザーインターフェース)・U/Xの出番です。

トヨタデザインシステムは、さまざまなU/Xを共通のデザイン言語で作り出すためのグローバルで統一されたアプローチです。その可能性を想像してみてください。Guardianを搭載したラリーカーなら、レース用インターフェースから、路上、レース、車両に関するデータがドライバーの集中力を妨げることなく、的確に素早く届きます。Chauffeurが可能にする移動型オフィスでは、パーソナライズされたUIがスムースなワークフローを可能にし、生産性、効率性を最大限に高めます。Chauffeurを搭載した長距離タクシーなら、ラップアラウンドスクリーン型のスリリングなエンターテイメントシステムや最新ゲームや、逆に乗客の好みにあった静かで落ち着きのある環境を提供することも可能です。このすべての根底にあるのが、誰もが知り、誰もに好まれる共通デザイン言語です。

機能

トヨタデザインシステムのドライビングインターフェースは、物理的手段とUI(ユーザーインターフェース)の両方から室内空間を拡張します。独自の直感型アプローチによって必要な解決策にいち早く辿り着けます。当然のことながら、インターフェースは、小型トラックの機能性や実用性、高級セダンの人間工学的かつエレガントなデザインといった各車両のタイプや機能によって調整され、ありとあらゆる体験をユーザーに合わせてパーソナライズします。スマートフォンアプリに好みの設定がすべて保存され、乗った瞬間から、即座にカスタマイゼーション完了です。

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マッピング

Our Vision for the Future of Mapping

危険な海路や陸路での移動が主であった古代から、最新で精度の高い地図は、安全に旅をする上で必需品とされて来ました。当時の地図は、隊長が記録し、商人が更新した軍事目的のスケッチのつぎはぎでしたが、何世紀もの間に詳細になって来ました。車両の自動化が進む現在でも、最新かつ高精度の地図は、高速道路か一般道路かを問わず、安全な運転のために重要な意味を持ちます。地図は、リアルタイムで、他の車両に搭載されたセンサーとリンクして機能し、周囲の状況を理解し、センサーの範囲を超えて意思決定をする為の参照モデルを提供しています。

通常は、車両システムは、位置確認(その時、車両がどこにいるのかを理解する)と、経路計画(安全に目的地に着けるように、リアルタイムで地方の道路ネットワーク上に行程を描く)と、車両運転(計画された場所に正確に車両を動かす)を備えています。もし、利用可能な新しい地図があり、車両がインターネットに接続されていれば、その場で、新しい地図をダウンロードして、更新し、他の機能を更新するのに使用することもできます。モバイルインターネットを通じて行うのが理想ですが、現在は、モバイルインターネットにつながっている車両がほとんどないので、通常はディーラーでUSB経由で行うか、場合によってはWiFi を使って行います。 

そういうわけで、現在は、機械が即座に効率よく読み取ることができる高精度地図を作成する必要があります。しかし、地図作成は、未だに手作業でのプロセスなので、高精度地図は、しばしば、情報の更新日から数か月も数年も遅れて更新されることがあり制限付きドライバー・アシスタント機能以上に使い物にならなくなります。更に、データは、業種間のサイロ、あるいはOEMや車両管理ITインフラのような業種内に留まることもあり、データの共有が困難になることもあります。車両センサーや電気制御装置(ECU)の数が爆発的に増え、データはますます豊かになっていますが、入手可能なデータの急速な増加は、ユーザーの利益や収益の急速な成長に結びついていません。次第にデータは機会というよりもコストと見られるようになって来ています。その結果、各データセットは、しばしば、各企業がサービスを提供している特定の国の特定地域に限った古いデータ提供に限定されています。 

既存の高精度地図の調達や開発は、車両の耐用年数に応じて開発者に100ドル単位での(車両の数によりますが)負担が発生する一方で、地図や地図システムのカスタマイズには通常何百万ドルも必要で、かつ多くの場合他の車両では利用できません。道路のカバー率は依然としてわずかで、一握りの国の主要な幹線高速道路に限られています。非常に低いカバー率と、古いデータと、膨大なコストの為に、事実上、自動化の恩恵を被れるのは、膨大な研究開発予算のある大企業の少数の開発者に限られています。

更にデータ管理を取り巻く法規制がますます厳しくなってきているため、データを処理し、蓄積し、価値を生み出すことが、開発者にとって厄介なものになってきています。そして、車両に、安全な地図を提供する為にいままで以上に多くの作業が必要になります。例えば、データからの地図作成、データの誤りなどを修正、整備して機械学習すること、既存のデータに新しいデータを統合すること、データ処理量の増減に対応できるITインフラを設計すること、異なる車両プラットフォームに応じた地図更新計画を考案することなどがあります。これらの処理のほとんどが自動化されておらず、ビジネスの最終損益に対して価値を提供できるプロセスはほとんどありません。いまこそ新しいパラダイムを構築する時です。 

地図の未来に向けた当社の新しいビジョンは、自動地図生成プラットフォームまたは、「AMP」と呼ばれるものです。AMPは、貢献モデルに基づいたオープンなソフトウェア・プラットフォームで、参加する開発者は、自分たちが開発したアプリケーションやソフトウェアを搭載した車両の匿名のセンサー・データをプラットフォームに提供します。その代わり、開発者はすべて、業種、車種、会社を越えて、高精度地図に簡単に、安全に、オープンかつ持続的にアクセスできます。ワンストップでのオープンなAPIにより、開発者はソフトウェア開発に集中できるようになります。特定の地図の実装や維持について心配する必要はなく、必要な時に必要なデータをプルダウンするだけです。最新の地図は、一般的なカメラ・データを使い、地図の最新化や構築プロセスはますます自動化され、データ・パイプラインをサポートするのに充分な台数の車両がなくても、衛星画像で、全世界の道路ネットワークを作り上げる手助けをしてもらえます。 

当社では、この新しいビジョンが、スタートアップ企業による自動運転のアプリケーションの開発と市場導入を加速させるものと期待しています。また、新興国だけでなく先進国で世界的な問題となっている都心のモビリティの効率化及び自動化を、開発者や都市計画者が促進する手助けとなるでしょう。また、他の多くの国と同様、日本において経済面で公共サービスを続けることができなくなり、鉄道やバス路線が休業に追い込まれている地方の再生の支援にもなるでしょう。交通手段がなくなることは、食料からヘルスケアや教育に至るまで、地方コミュニティが重要な社会インフラから切り離されることを意味するからです。そして、誤った加速、誤った高速道路への進入、車両の運転ミスまたは思い違いによる衝突防止を回避する手助けをするだけでなく、ドライバーのストレスを和らげることにより、簡易的な自動化(または、ADASとして知られているアドバンスト・ドライバ・アシスタンス・システム)による恩恵をも増やします。

しかし、AMPは、まだ、ビジョンであり、製品ではありません。2020年か、それ以降に市場導入できるよう次世代の自動運転システムのために既存の地図生成システムを改良する仕事を毎日続けています。しかし、将来的には、より新しい地図をより低コストで、そして一般道路を含むより広い範囲で自動生成できるようにしていきます。

もし、この話にわくわくしたら、私たちの仲間に加わって下さい! 当社では、GIS熟練者、機械学習と画像処理のエンジニア、デブオプスの専門家、データ・サイエンティストと地図専門家を、新しい東京オフィスで採用しています。スタートアップの環境の中で、でも大規模に国際的な経験を積むという理想的な経験が待っています。一番重要なことは、このビジョンを実現するあなたの熱意を必要としているということです。そして、すべての人にモビリティをというビジョンを達成しましょう。

 
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Driver and Passenger Monitoring System

ドライバー モニター システムは、自動運転においてドライバーの状態を見守るために必要な技術として開発が進んでいますが、その技術は自動運転のみならず、人が自身で運転する時のGuardian機能や、ドライバー以外の乗員も含めたサービスへもニーズが広がっています。

1)ドライバーの運転や、乗員の安全性

2)乗員の着座位置に合わせた快適性

3)パーソナライゼーション サービス

4)先進的HMI

5)MaaSのための乗客、キャビン状態管理

一人ひとりの好みや、特徴に合わせた快適なモビリティと、移動前後を含めたシームレスなサービスの実現に向けて、TRI-ADの Driver and Passenger Monitoring System は進化し続けています。

機能

トヨタの Highway Teammate Concept である、「人とクルマが同じ目的を目指し、ある時は見守り、ある時は助け合う、気持ちが通った仲間の様な関係を築く」ためには、人を見守り、理解する Driver and Passenger Monitoring System が欠かせない技術となります。

ドライバーの姿勢や顔からTRI-ADの Driver & Passenger Monitoring AI が視線や眠気だけでなく、感情や意図を読み取り、安全・安心なドライブをサポートします。Driver and Passenger Monitoring AI は、ドライバーだけでなく、全ての乗員や、車室内の状態を認識し、MaaS時代の新たなUXを実現します。

Driver and Passenger Monitoring AI の進化には、多種多様なデータが必要で、服装、光環境に加えて、多様な文化に裏付けされた表情の違いなど、大量なデータを効率よく収集、解析する技術開発に加えて、ベーシックな人間研究も重要です。

多くの人を知る事であなただけの愛車が作れるのだと、TRI-ADは考えています。

 
Driver Monitoring